-稲穂の家-
House In Inaho
緑を一望する大きな三角屋根の家
Information
竣工年/2019年
用途/個人住宅
所在地/北海道幕別町
床面積/138㎡
構造/木造二階建て
給気/アースチューブ給気(地熱利用)
暖房/床下エアコン・薪ストーブ
Concept
若い農家夫婦のための住宅として計画した。
冬場、家の中で団らんする時間が長いであろうクライアントのため、場所ごとに天井高さや仕上げ、明るさ、広さがまったく違うような設計をした。
大きな窓のあるリビングからは、夏には作物が青々と茂る畑が一望でき、冬には足跡ひとつない真っ白な雪景色を独り占めできる。
その横には手を伸ばせば天井に手が届くほどの、落ち着いた薪ストーブスペースがあったり、天窓から光が落ちてくる吹き抜けをもつ廊下がある。
天窓から見える青空を見ながら階段をのぼると、屋根に包まれたようなサブリビングがある。
一方で、寝室には座ったときの目の高さくらいに横長の窓を設け、光がしぼられ一人で落ち着ける場所になっている。
農家は夏と冬で室内での過ごし方が変わってくるため、また子供たちが走り回って遊べるように、複数の回遊動線(行き止まりのなく、ぐるっとまわれる平面)があるプランとした。
外気を地熱で暖めてから室内に流入し(アースチューブ給気)、その空気を床下で壁付けエアコンを使い暖め、各室に床下を通して送る「床下エアコン暖房」としている。
また、南からの日射が室内で広がるようになっているので、東西に窓をほぼつけなくてよい。
そのため夏場はほぼ直射日光が室内に入らず、冷房を使わずに済むような設計である。